NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

【感想】 『日本人よありがとう』

読みました。


「歴史は勝者が作る」という言葉があります。
意味は「権力争いや戦争が起きると、歴史は『争いに勝った勢力』にとって都合の良いように改変されやすい」といった感じでしょうか。
日本は第二次世界大戦で負けています。
その後、アメリカが日本に進駐していた時期があります。
社会制度や教育の方針に、アメリカ側が口を出していた時期があったわけです。

日本人が持っている自国の歴史観は、時に「自虐的歴史観」と揶揄されることもあるようですね。
とにかく日本が悪かったの一点張り。
これは、どうなんでしょうね。正直、もう数十年も前のことでよくわかりません。
当時の日本は、自国の国益のために周辺諸国を侵略し、多大なる迷惑をかけた、というのが現在の常識的歴史観ではないでしょうか?
しかしこれ、「勝者(アメリカ側)が意図的に作ったもの」という話もあるのです。
確信はありませんが、日本はあの戦争を境に戦前の状況を知る人間が減り、また生き残った人間も戦後の混乱を生きるのに必死で「歴史」にかまう余裕はなかっただろうと想像します。
そこにきて、「戦争の勝者」であるアメリカが日本国内に進駐しているのです。
当時の日本側に裁量などなかっただろうと思われます。
首根っこを押さえられ喉元に刃物を突き付けられた状態だったのではないでしょうか?
アメリカ側にとって、勝者に都合の良い歴史を作り、それを敗戦国である日本の子供に教え込ませるのはそんなに難しくはなかったでしょう。

この辺の話って本当に微妙ですよね(^_^;)
学生時代、歴史の授業って、現代に近付けば近付くほど大雑把で駆け足になって、教科書も先生もあまり内容を掘り下げたがらなかった印象が強いです。
この歳になってまあいろいろあるんだろうとは察しますw

戦前日本絶対悪説は作られたもの説、話としてはいろいろ見かけますが、戦前日本を無条件で賛美する気にはまだなれません。
戦争を正当化する気はありませんし、当時軍部が暴走したという一面もあったのではないかとは思います。
ですが、戦前の日本は無条件で悪であるというのも少し気を付けた方がいい話なのかもしれないとは思うようになりました。
当時の日本、侵略という形で周辺諸国に攻め入ってはいますが、それは「平和な国を一方的に踏みにじった」とは限らず、「その国を植民地として貪っていた白人諸国を追い払った」という一面があった可能性があります。
そして、支配国を追い払った後、日本は支配国の後釜として、同じ事をやらかしたという事実があるのかないのか、自分はまだわかりません。
ただ、当時の日本は、その「支配国」を破壊せず、その国の教育やインフラを整えた、という話は見かけました。

その一例になるのですが、マレーシアの独立は「日本の支配」なくしてはならなかった、という内容が書かれているのが上記の本です。
ちなみに、「日本の支配」と書きましたが、本文の内容を信じる限り、マレーシア人は白人支配国を追い払ってくれた日本側を歓迎しており、日本側もマレーシア側を搾取するつもりもなかったようです。始めから「周辺諸国を救う為」にマレーシアに進軍したようです。古い話ですので信じる信じないはお任せします。
日本がマレーシアを支配していたのは、三年弱くらいだったようですが、その時期の日本側の教育によってマレーシアは生まれ変わったそうです。
事実、日本の敗戦を機に、かつての搾取構造を取り戻そうと触手を伸ばしてきた白人国家をマレーシア人は撃退しています。
それを指して「猫が虎になった」と言われたようです。
この動きを指揮したのが、日本の支配を機に、日本に留学し勉強していた当時のマレーシアのエリート青年達だったというわけです。
上記の本はラジャー・ダト・ノンチックというマレーシア人の半生を綴ったものでもありますが、そのノンチック氏も当時日本に留学した一人です。



当時を知る人自体がいなくなりつつある上に、途中で大混乱の時代を挟んでいるわけですから、あの当時の歴史の真実を知るのはかなり難しくなっています。
状況証拠にはなりますが、侵略された側が侵略した側に感謝している、というのは普通考えにくいとは思います。
そうしますと、やはり当時の日本が絶対悪かどうか微妙になってきます。
日露戦争で初めてアジア人が白人に勝ったといまだに世界の人からいまだに引き合いに出されるという話もよく聞きますね。
海外に行き、その国の人達のリアクションを集計することで当時の日本の評価を垣間見ることはできるのかもしれません。
一度も海外行ったことない自分には高いハードルですがw
ただ、「戦前日本絶対悪説」は要注意かも、とはこの本を読んで思いました。