NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

『病気にならない生き方』

日米で活躍されている胃腸内視鏡外科医、新谷弘実さんの著書。タイトル通り、「病気にならないためにはどうすれば?」という疑問への答えがギュッと濃縮されてますw

「胃腸内視鏡外科医」って書くと何のことかピンとこないかもですが、要は「胃腸の状態を見ることが専門の先生」って感じです。確かな腕で信頼を集め、日米で診察を続けるうち、30万例以上の胃腸を見てきたそうです。この本に書かれている話は、つまりそれら膨大な数のケーススタディから導き出されたお話ということのようで。

圧倒的な実務経験に裏打ちされたその理論により、「死亡診断書を書いたことがない」、「ガンの再発率ゼロ」といった、現代医学ではまず不可能であろう実績を残していらっしゃるようです。新谷さんに健康指導をされた方は、その患者さんがちゃんと心を開いてその指導を受け入れ、きちんと実践する限りは快方に向かうという状況にあるそうで。


新谷さんが日米の患者さんたちの胃腸を診察していく中で見つけた、絶対と言ってもよいほどの確固たる法則は「体の健康=腸の健康」というものだったそうです。腸相(腸の状態)が良い人は心身の状態がバランスよく整っているが、これが悪い人は心身のどこかを病んでいるということ。つまり、健康を整えたいなら、腸の健康を整えればよい、という結論に達したそうです。

では、「腸の健康を整えるためには?」という疑問に対する答えこそ、本書内で濃密に語られています。詳しく知りたい方は一読を勧めます。たぶん図書館とかに行けばあると思います。自分も図書館で借りてますw



腸相を整えるコツですが、もうこのブログ内で散々書いたような話です。つまりは、「動物性たんぱくは不要」ということに着地する内容です。まったく食べるな、肉厳禁とまではおっしゃっていませんでしたが、「体の中の良いサイクルが完成したら、月に一回くらいは食べてもなんとかカバーできる」くらいの感じです。

ただ、肉さえ食べなきゃそれでいいという単純な話でもありませんでした。他にも避けるべきものとして、新谷さんが一貫して主張していらっしゃるのは「フリーラジカル(超強力な酸化力を持つ物質)」です。要は、体内を強烈に酸化させるものは避けよという方向性で一貫していました。

「水道水は安全なのか?」っていう声は定期的に聞かれますが、この点について、「そのままはよくない」ってことが本文を読めばわかります。一般的には「塩素で消毒してあるから安心」ってことですが、新谷さん的には「塩素が入っているからこそ、強烈に酸化している水」ということになるそうです。煮沸して塩素を飛ばしたところで、酸化した水はどうにもなりません。この点を何とかする浄水器があったがベターということみたいです。

また、「トランス脂肪酸」についてのお話もありました。『食べるな危険!!』の感想エントリでもちらっとでましたが、ちょうどこの本にも載っていました。どうやらマーガリンはこのトランス脂肪満載のものらしく、「最悪の油」であるとされています。その悪影響はバター以上ということらしいです。

肉を食べないって話はもう耳にタコですが、それ以外にも「水」と「トランス脂肪酸」情報があって、大変勉強になりました。本当、食の安全って奥深いですよねぇ……(´・ω・`)



と、こんな感じで、食と健康に興味がある方にとっては一読の価値があると自分は思います。それに、この本もまた、単なる「健康ハウツー本」に止まらず、更に掘り下げられている部分があります。新谷さんは医師ですが、「臓器別医療には反対」とおっしゃっています。それは「木を見て森を見ない医療だから」と。もっと広い視野で、総合的に物事を判断していらっしゃる印象を受けました。

だからこそ、人間が健康でさえいられれば、何をしてもよいといったような乱暴な意見はあまり見られず、むしろ「自然の摂理から外れたことが病気の原因」といったような意見をちょくちょく見かけました。

この点がさらに掘り下げられ、「望ましい人生の在り方」、「人間の命の在り方」など、さらに深いテーマへと続いていっています。『食べるな危険!!』にもそういうところがありましたが、食の安全や健康をテーマに掘り下げていくと、いつの間にか社会全体、ときには人生全体に及ぶようなテーマにまで辿り着くのかもしれないです。


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以前もこの本は読んだことがあったのですが、ふと思いついてもう一度目を通してみると、前回は拾えなかった箇所もずいぶんとあって、本当に深いテーマだなぁと再認識しましたw そして、この本の内容自体もとても濃いのだということでしょうね。またいつか読み返したら、今回拾えなかったことをまた拾えるのかなと思ったり。

ちなみに、部分的局部的な物の見方には疑問をもっている新谷さんの健康法だけに、これらは過度なストイックさを要求されるようなものではないと自分は思いました。「まずいものを食べて健康にはなれない」というようなこともおっしゃってましたし。

病気や不調を力でねじ伏せるのではなく、もっと自然に、いい意味でラクに健康を目指すという人は要チェックだと思いますね。

ちなみに、『病気にならない生き方』には続編もあって、たしか3巻くらいまであったように思います。内容がドンピシャだった人はあわせてどうぞ。

病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める-

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