NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

『ネガティブのすすめ』


心も持ち方を説くメンタル本ですね。この手の本には「前向きになろう!」的メッセージが多い中、本書は「ネガティブの利点」というものに触れています。

ポジティブっていうのも行き過ぎれば現実を直視していない、現実を無視している態度へとつながっていくことから、行きすぎたポジティブは現実に適応できなくなる末路が待っているとのこと。行き過ぎたポジティブによって現実と摩擦を繰り返し、心の病に陥る方も案外いらっしゃるとか。

ネガティブも行き過ぎればやっぱり現実に適応できなくなるのはその通りですが、適度なネガティブはマイナス要素にもきちんと目を向けられ、「現実的な対応が可能になる」という利点があるそうです。

ただ、「だからネガティブになろう!」というメッセージが発せられているのではなく、要は「両方がバランスよくあって、それぞれをうまく使い分けよう」というメッセージだった感じです。ネガティブからポジティブの要素を取り入れてバランスを取るには、という問いについても一定の方向性が紹介されています。

著者は元々ネガティブ人間だったらしいので、ネガティブ人間の立場に立ったアドバイスが期待できるのかもしれません。


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自分もネガティブ系なのでタイトルに魅かれてw ネガティブの強みは現実的なリスクヘッジができるということでしょうねやっぱり。前もマグロ船の経験を綴った本に「ポジティブ一辺倒の人間は他人を振り回してばかり」、「そこまでいくとポジティブバカ」というような内容が書かれていたのを思い出します。

ネガティブの利点というものについての目新しさはありませんでしたが、ポジティブのデメリットというものは新鮮でした。「ポジティブも行き過ぎれば現実に適応できなくなる」というのはなんかゾッとする話ですね。困難に遭ってもへこたれずに、パワフルに前に突き進んでいく。本人にとってそれが自然なことならともかく、「それが正しい!」と思い込んで無理に前向きさを装ってるなら不幸な話だと思います。どこか奥行きの感じられないハリボテのようなポジティブ礼賛志向はどうかなと個人的には思います。

そんな行き過ぎなポジティブの一例として「完璧主義」というものが挙げられていたのが個人的に衝撃でした。自分的にはどっちかというと完璧主義はネガティブ系の特徴だと思ってましたからね。ああそういう捉え方もあるのかと。

そして完璧主義って現実志向だとばかり思っていましたが、これが「現実を直視していない態度」の一例として紹介されていることにも衝撃。細部まで完璧に仕上げようというのは現実にトコトン向き合っているようで、ここまで来るともはや現実をちゃんと見ていないと言えるレベルであると。この発想は自分にはありませんでした。顕微鏡で物事を見ているようなイメージですかね。まあ、たしかにそういう視点で見ると完璧主義は歪んだ物の見方であるとは思います。

自分も完璧主義の傾向があって、自分の理想が高くてメンドクサイとよく思います。今までその理想の高さは現実に向き合っているからこそと思っていたところがありましたが、もしかするとその態度自体が現実を直視していないのかもなーとちょっとモヤモヤしました。今もちょっとまだしてます。考えさせられました……。



後、親しい方が亡くなるといった出来事にちゃんと悲しんだり落ち込んだりしておかないとかえって前に進めなくなるというようなこともあるそうです。これは精神科医の香山リカさんも似たようなことをおっしゃっていたような記憶があります。この点でもネガティブは必要だと。長い目で見て前向きに生きるために、一時的にネガティブになることが必要になることもあると。

このあたりの話からも、ネガティブを極端に嫌がるのも考えものなのかもしれません。ポジティブ・ネガティブ、バランスよく揃ってるのがいいんでしょうね。


ネガティブのすすめ―プラス思考にうんざりしているあなたへ

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