サザエさんの英語訳版。日本語の元セリフも横に書いてあるので、サザエさん本としても普通に楽しめます。「へ〜英語で言うとこんな感じになるのか」というのを楽しめて面白いですよ。
対訳サザエさん (6) (Bilingual Comics) (講談社バイリンガル・コミックス)posted with amazlet at 16.05.01
元から英語って一番好きな教科だったので、わりとこういうのも好きです。英語の本をガッツリ読むのはだるいけど、マンガだったら絵でだいたいわかるし、ましてそれがアメコミとかじゃなくてサザエさんだったら余計に読みやすいです。
勉強っていうほどかたっ苦しいもんじゃなくて、何となく英語のセンスを身につけて、たどたどしくても会話できるようになりたい人に向いているのではないでしょうか。
コマ見た方が早いと思うので、あんまよくないけどちょっとだけ載せます。
英語、なってますねw サザエさん達が英語しゃべってんの若干不思議。
これ読んで思ったけど、日本語だと一言で済む台詞を英語にするとものすごい長い一文(主語+動詞+目的語、という非常にカッチリしている文)になってることがあって「へー」と思いました。
英語は術語や目的語を完璧に言うのでわかりやすいとも言われるようですが、それって裏返せば、すべてのシーンでいちいち「誰が・何を・どうする」を完璧に言わないと伝わらなかったりして「めんどい」ってことでもあるのかもなと。
サザエさんがタラちゃんのことをどうにかしてほしいってセリフで、タラちゃんを指す目的語(合ってるか不安w)で「him」って言ってるのがものすごい違和感でした。
直訳がそのままニュアンスレベルまで正しいわけじゃないでしょうが、親が子供に「彼を」というアレを使うのはなんかねぇ…。意訳すれば「この(男の)子を」って感じになるんでしょうけどね。
そういう複雑なあれこれを曖昧な相槌で済ませられる日本語って、曖昧でわかりづらいけど省エネだと思いました。サザエさんという見慣れたテキストで日本語セリフと英語セリフを並べてみるとよくわかります。
まあ、わかんないですけどね。あとがきを読んでみると、サザエさん達って庶民派のわりにけっこう上品な言葉遣いをしてると書かれてました。その上品さを汲んでの訳なのかもしれないです。
洋画DVDとか見るとき、自分は英語の台詞の字幕(役者さんが実際に言っている台詞)を出して見るのも好きで、昔よくやってたんです。あれも、肩肘張った英語の勉強よりよほど頭に入ったと思います。
そのときにああすごいなこれが英語の日常会話なのかなと思ったシーンを思い出したのでついでに書いときます。
主人公が女の子に「それ、今もやってるの?」的なことを聞きます。
女の子は「今はもうやってないわ。昔の話よ」みたいなことを答えます。
このとき、女の子が返した実際のセリフは「No,I was」のみ。これを見た時、「えっ、そんだけで伝わるん!?」と驚きました。
「今はもうやってないわ。昔の話よ」を英語で言えと言われたら、これをそのまま直訳した長い英文をイメージするじゃないですか(自分だけじゃないですよね?w)
最初の「No」で聞かれたことは「違う」ことを伝え、次の「I was」の「was」、過去形を使うことで遠回しに「もう昔の話」と伝えたって感じだったんでしょうか。
言い回しがすごい自然で、英語の日常会話ってむしろこういうものなんじゃないかって、ものすごい鮮明に脳裏に焼き付きました。たぶんもう一生忘れられないと思います。
というわけで、英語だからといって、常に「誰が何をどうした」型のしゃべりをしてるとは限らないのかもしれないです。日常会話ではもっと省略とかしてるのかもしれないですね。わかんないですけど
蛇足ついでにもう一点、これは英語とは関係なくサザエさんを読んでいてよく思うことです。
この巻には見つけられませんでしたが(もしかしたらわざと除かれてるのかもしれませんが)、サザエさんって4コマの中に一言も台詞がないヤツがちょこちょこあるんですよね。
絵だけで、登場人物の表情と動き、あとは感情を表すちょっとした線(ビックリしたときに頭の上に出るヤツとか)だけでストーリーを表してるヤツ。あれが自分の中では秀逸だなぁといつも思ってます。
あれぞマンガの真骨頂という感じです。たった4コマの枠の中で台詞ナシでストーリーを読者にわからせ、その上で笑わせるというのは単純にすごい技術だと思いました。
対訳サザエさんに台詞ないコマとか載せたら意味ないですから、こっちの方にはあえて省かれてるのかもしれないですが。
一応そういうの探しましたので、一番近いかな?というもので台詞が一言しかないヤツも載せておきます。
すごいですよねぇ( 'ー`)
対訳サザエさん (8) (Bilingual Comics) (講談社バイリンガル・コミックス)
- 作者: 長谷川町子,ジュールス・ヤング,ドミニック・ヤング
- 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
- 発売日: 1998/02/10
- メディア: ペーパーバック
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