アニメ「ガールズ&パンツァー」の劇場版を見てきたので感想などを書きます。
ネタバレあるのでご注意を。
【Amazonビデオ】
DVDはこちら
ガルパン(TV版)のあらすじとか
乙女の嗜みとして、華道・茶道などとあわせて「戦車道」があるという設定。
主人公「西住みほ」は、戦車道の名家の生まれ。が、戦車道試合中のある出来事がトラウマとなって戦車道をリタイア。全国の高校で唯一、戦車道がなかったという理由で「大洗高校」に転校。
ところが、大洗高校は長年に渡って目立った実績もないということで、実はその年限りでの廃校がほぼ決定済み。その決定を覆すため、大洗高校生徒会は「戦車道を今年から復活させ、全国大会で優勝する」という実績を目指し、動き始めていた。
そして西住みほは、戦車道の経験者にして名家の娘。生徒会に目をつけられ、強引に戦車道を履修させられた西住みほは、(廃校うんぬんの事情を知らされないまま)戦車道初心者の大洗高校生徒と、オンボロ戦車数台のみで全国優勝を目指す。
●戦車道
戦車を使った模擬戦のようなもの。実弾を使って本当に砲撃するけど「戦車の中は特殊な素材で覆われているため」ケガとかはしない(という設定)
一種のスポーツのようなもので、一定のルールに沿って勝ち負けが決まる。主な形式は2つあり、リーダー車を撃沈すれば勝ちとなる「フラッグ戦」と、相手戦車を全滅させれば勝ちになる「殲滅戦」がある。
戦車を動かす技量とチーム戦術、戦車の構成で優劣が分かれていく。
ガールズ&パンツァー コンプリート DVD-BOX (全12話+総集編2話, 336分) ガルパン アニメ [DVD] [Import] [PAL, 再生環境をご確認ください]posted with amazlet at 16.01.20
売り上げランキング: 440
ガルパンは劇場でこそ映える作品だったと思うなど
女子高生が戦車に乗って砲撃かましたりする不思議な作品ですが、劇場で見ると本当に映えると思いましたね。
たしか監督の方がどっかのインタビューで「『この作品は劇場でこそ映える』と思っていた」的なお話をされていた気がするんですが、まさにその通りと言う感じで。
テレビ版も自分はDVDで全話見ていて、そのときもかなりハマった作品ではありました。
でも、劇場で見た時の迫力は、テレビ版にはなかった気がします。
・戦車で砲撃したときの爆音
・着弾したときの砂埃や吹っ飛ぶ建造物
・戦車を掠めていく流れ弾
これらを劇場の音響と大スクリーンで見ると迫力が違い、こちらまで手に汗握る感じ。
特に、戦車の砲撃音。体の中にまで響いてくるような重低音は、家では聞けないものでした。
劇場で見たからこその新発見もありました。
TV版ではほとんど出オチ担当だったプラウダのKV-2も、この劇場版で「あ、こんなに威力あったの?」と印象が変わりました。大火力の戦車の砲撃は、劇場スクリーンの映像と音響で見てこそ、その威力や脅威が伝わるなーと思いました。
と、胸熱&新発見で、「劇場まで見に来てよかったわー」と、開始早々ふわっとした感想でした。
ちなみに自分は、そんなに劇場ラバーではありません。
お金ないし、田舎すぎて近所に劇場もないし、その上に冷めた性格なので「レンタルでいいや」とよく思います。
今回ガルパンを見に行ったのは、単にガルパンが好きだったのと、たまたま時間があったのでなんとなく。
でもこの作品を見て、「劇場でこそ映える作品がある」という事例を知った気がします。
これからは、作品次第ではもうちょっと劇場に見に行ってもいいかなーと思いました。
劇場版のストーリーとかあれこれ
劇場版のストーリー自体は、「戦車道の大会で優勝して廃校を阻止した(つもりだった)けど、やっぱり阻止できてなかった!!」というお話で、若干「えぇ~~~~~wwwwww」みたいな感想w
今度こそ廃校を撤回させるべく、お役人の出してきた無理難題な試合で勝利を目指すのが、劇場版のあらすじ。
が、ガルパンのストーリー自体が元々シンプルでわかりやすいので、まあいいかなーとも思いました。
やっぱりみんな戦車道の試合の様を見に来ていると思うので、このストーリーは戦車道の試合をするためのお膳立てかなと。
個人的には、TV版で優勝した大洗高校を中心にした「日本代表チーム」みたいなのが作られ、世界戦に挑む・・・みたいなのになるのかなーと思ってました。
まあ、結局「TVでは敵だったあのキャラが味方に!」という王道ストーリーだったので、満足でした(単純)
個人的にストーリーの見せ方がうまいなと思いました。
劇場版のストーリーは、冒頭から
・エキシビジョンマッチ(戦車戦)
・廃校の危機(劇場版のストーリー)
・廃校阻止をかけた試合(戦車戦)
の順で進みます。
まずは「冒頭の戦車戦」、いきなり戦車戦をやることで、
・初見さんへは戦車道の説明
・ファンへはサービス
を同時に済ませられるあたり、うまいなと。
初見さんは少ない気がしますが、一応劇場版の冒頭でTV版のあらすじと戦車道の説明があるので、アレとあわせて冒頭の戦車戦を見れば、初見さんでもついてこれる作りになってるのかなと。
で、ファンには「TV版で実現しなかったあの組み合わせの試合」を見せるという形で退屈させないという配慮。TV序盤の試合をパロディにしたような展開もあるので、TVを見た人なら退屈しなかったんじゃないですかね。
で、どちらにしても、これを劇場版の迫力でやるわけで、2重3重の意味で一瞬も見逃せねぇ感じ。
最初にエキシビジョン戦をやることで観客のハートをキャッチしながら、劇場版用のストーリーと本戦へと誘導するあたりが、「うまいな」と個人的に思ってました。
これ、冒頭からいきなり「やっぱり廃校の危機は終わってなかった!!」っていうストーリーパートからやられたら「うわー」って思ったかもしれません。
戦車・戦車道の試合こそが見たいと思ってる人が多いように(個人的には)思うので、四の五の言わずに、戦車道の試合から始まる構成は見やすかったです。
劇場の様子とか反響とか
実は2回見に行きました。(にわかだけど)もともとガルパンが好きだった上、1回目に見た時に「この作品は劇場でこそ(ry!」と思ったので、劇場で見れるうちに、もう1回見とこうかなと。
さすがに2回目に見た時には、1回目ほどの感動はなかったです。この辺、冷めてる自分は損した気分。
で、その2回見たうちのどちらも「ほぼ満員」だったので驚き。
ちなみに1回目は公開後2週目くらい、2回目は公開後1か月後くらいに見ました。
ジブリとか不特定多数に見られるアニメならまだしも、特定のファンに向けた劇場アニメ作品って、半分も席が埋まらない印象が強かったです。特に田舎だと。昔「空の境界」を見に行ったことがあるんですが、その時の観客は自分を入れて3人とかでした。
そんなイメージがあったので、「ほぼ満席」の様には仰天。
1回目はたしか平日の昼間に見に行ったはずなんですが、ほぼ満席。ガルパン尊い。色んな意味で。
ちなみに2回とも、観客は99%男でした。
これは1%は女性がいたという意味ではなく、全員確認とってないから断言はしないという意味の99%で、見渡す限りガルパンお兄さん&おじさんでした。濃い空間。自分もガルパンおじさんと化してました。
すでに9億超えの売上が上がったと聞いて、こりゃすげえと。
ガルパンって、たしかTVのリアルタイム放送では、万策尽きて最終回が総集編(制作が放送日に間に合わないと、これまでの映像を切り貼りした総集編を苦肉の策で流すのがお約束)だったと聞きますが、それでも人気が衰えてないタイトルなので、劇場版ともなればこれほどの売上となるのかさすがだという感想でした。
ただ、自分はグッズとか特典にはあまり興味がない人間なので、来場特典を小出しにするのはちょっとなーとも思ってます。
2回目に見に行った時、1回目以上に満席に近かったんですが、どうやらその日が新しい特典の配布開始日だったらしいと後で知りました。仮に特典がなかったとしてもこの動員なのか、それとも特典もあってのこの動員なのか、ちょっと気になったりも。
まあこれは人によるところだと思います。1回目にもらったミニ色紙はちょっと嬉しかったかもだし。
まとめ
と、自分にとっては見に行って普通におもしろかったし、劇場向きの作品ってこういうものだと事例がわかったし、本当に見に行ってよかったなという感想でした。
あとでレンタルで見ても楽しめると思うけど、これは定期的に劇場公開やってほしいような気がする。
映画で「午前十時の映画祭」(往年の名作を1日1回だけ劇場公開。1作品の公開期間は1~2週間)みたいなのやってるけど、アニメ作品でもこういうのやってほしいよね、劇場でこそ映える作品はたびたび劇場で見るチャンス欲しいよね、などと。
もしアニメ映画でも劇場で再放送枠あったら、ガルパンは公開希望作品の筆頭だと、個人的には思います。
今回の公開終わった後、劇場でこの作品を見る機会がもうないんだったら、この時期、一人でふらりと映画見に行けるおっさん年齢になっててよかったって思いました。
【Amazonビデオ】
DVDはこちら