NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

異世界スマホ見て思ったこといろいろ

現在放送中のアニメ、『異世界はスマートフォンとともに』。現在WEBではちょっと茶化され気味にネタ化してるだけあって、自分も見てていろいろ思いました。

ある種の反面教師としては面白いなーとは思ったので、ちょっとここで吐き出します。めっちゃチラ裏な話ですけれども、ここはチラ裏だしと。


残念ながらあまり肯定的な意見じゃないので、茶化す意見は見たくない方はご注意を。

あとちなみに自分は業界人でも製作クラスタでもなんでもないです。ただの一般人の勝手な感想ということでご容赦いただければ。




あまりに都合のよすぎる展開。見ててさすがにツラくなった

特に課金したわけでもなく見させてもらっといてアレなんですけど、見ててツラかったというのが正直な感想で。

自分はアニメとかよく見るし、その中でもひたすら主人公が都合よく無双する作品、いわゆる「俺tueeeeeeee!!!!!!!」系(異世界スマホもこのジャンル)をよく見てきた口ですが、それでもつらかった・・・。



まず主人公がチートすぎるという。神様の不注意で現実世界で死に、そのお詫びに異世界へ転生したという設定といわれたらそれまでだけど、最強すぎるという。

転生後の世界には魔法ある設定だけど、全属性に最強クラスの適性があり、もうこの世界にある魔法はなんでも使いたい放題という状態で。

これはもう最初からLv99、装備最強のRPGと同じで、これで負ける方が難しいでしょうという無双ぶり。



「もうそれだけで十分じゃね!?」という感じもするんですが、それにさらに輪をかけて主人公に都合の良すぎるストーリーの展開。

転生した直後から都合よく助けてくれるお金持ちが通りかかったり、十分強いヒロインなのになぜか暴漢にからまれて困ってたり、主人公の魔法でしか助けられない人(しかも王族)が都合よく現れたりとか。


いやーそれは主人公が出るまでもなく解決できるでしょうとか、いくらなんでも不自然だろうそこはwwと思ったりとか。

見てて「うん・・・うん・・・」という感想で、正直つらかった



物語のリアリティについて考えさせられたのは面白かった

先ほどいろいろ言ったけど「いや、そもそもアニメ自体が子供向けのご都合主義作品だろ」と言われたらそれまでなんですが。

ただ普段よく触れてるその他のアニメとかゲームとかに比べて、このつらさなんなんだぜ・・・?というモヤモヤがですねw

そういう目でネットを見てて、異世界スマホにないのはこれだなーと思ったのは、物語のリアリティを確保するための工夫なんだろうなーと。



俺強ぇ作品で主人公が無双するのは当然でも、無双するまでのお膳立てはちゃんと丁寧に行かないといけないんだろうなと。

結局は主人公が無双して敵を蹴散らし、ヒロインを片っ端から惚れさせてハーレムするのはわかりきってるけど、最初からそこをゴールにしてることを見てる人に感じさせたら負け的な。




異世界スマホ見ててツラかったのは、ちょっと言い方はあれだけどお膳立てが雑なんだろうと。

ヒロイン惚れさせるのも敵倒すのも困ってる人助けるのも、何もかもが「転生特典の魔法使って5秒で解決しました」で終わりで、一瞬すぎるという。


そのせいで、ヒロインは主人公に惚れるためだけに出てきたように見えるし、困ってる人も主人公に助けられるためだけに出てきたように見えるし、敵ももちろん倒されるためだけに出てきたように見えるという。

で、そのあとに恒例の「主人公すごーい!!」がくるわけだけど、うん、結局それやりたかっただけだよね・・・?すごいって言わせる理由とかは何でもよかったんだね・・・?ってさみしい気持ちになるんですよね。



ってな感じで、ほかの作品よりもゴールが露骨すぎて、普段からアニメよく見てる自分でもシラけてしまうということかなと。


ゲームでも同じだなーと思ったり。倒せるかどうかのギリギリ感は大事

物語のリアリティはゲームでも同じで、最終的にプレーヤーがすべての課題をクリアしてゴールするのは明らか(仕様でどうやってもクリア不能ならクソゲー)でも、いかにそれをプレーヤーに感じさせないかが大事なんじゃないかと。

そのステージのボスの弱点や倒すための武器がそのステージの中に落ちてるってよく考えたらめっちゃ不自然な状況だけど、そういうのはなるべくさりげなくやって不自然さを減らすというか。


ボスの弱点を書いた日記は鍵のかかった戸棚の中に隠しておいておき、そのカギは前のステージのイベントで手に入れるとか、武器もその辺に投げてあるんじゃなくて、隠し部屋の中にわかりづらくおいてあるとか。

実際にはプレーヤーに敵を倒してもらうための仕掛けがあちこちに打ってあるわけだけど、プレーヤーはあくまで自分で解決策を編み出し、倒せなかったはずの敵を自力で倒したような感覚になるのが大事なんだろうと。



そこを接待ゴルフよろしく、ゲームマスターのおかげで勝たせてもらってるのが誰の目にも明らかだと、そりゃシラける。

ステージ開始直後の「はい、じゃこのステージはこの武器でいけますんでね」って武器渡されて、しかも敵が「弱点はここです!」って看板掲げて、その弱点さらけ出してじっとしてたら、これはもうゲームじゃないでしょうと。

単にみんなでキャッキャいうためのアトラクションならアリかなーと思うけど、部屋で一人でやるゲームでそれはつらすぎる。



最終的にはクリアさせていただきたいけど、そこに至るまでの過程はできるだけ不自然にならないようにするのが大事だったんだろうなと。


お約束を破るとどうなるのか、その反面教師としては貴重な作品だと思った

この作品をきっかけに、普段ぼけーっとみてるアニメとかゲームとかで、出来レース感がないようにいろいろ工夫されてたんだろうなぁとほんのり思ったりとか。

前に話題になったフレーズで、着ぐるみのミッキーマウスの中に人が入っているのは明らかでも、ミッキーは人前で頭を取ることはないっていのがあったけど。

異世界スマホはそういうお約束をちょっと破っちゃった作品で、言ってみれば人前で頭取っちゃったミッキーみたいなイメージになってきてます。


人によっては俺tueeeeee!!!!系の作品はどれもそうじゃん?って感じかもですが。そこはちょっと今更感あるかもなーとは思いますが、自分の中でもここまで露骨だと感じた作品は初めてだったもので。

年とってこの手の作品に共感しづらくなってるだけかもとも思ってますが。




蛇足:こういうのだったらもうちょっと見たかも

製作クラスタでもない上に後出しジャンケンでかなりアレな発言だけど、こういう内容だったら見たかもなー的な話。


主人公は神様の落とした雷かなんかに打たれて死んだ的な設定なので、その不幸属性活かして転生後に悪事の片棒担がされる的な話だったら見たかもと思います。

転生後に初めて会う人間が実はラスボスで、主人公のチートぶりを悪用するために騙して、それで悪事の共犯者にされ、それが原因で指名手配を食らう的な。

で、逃げまわりながら、自分をハメた人間を探しだすというのが主なストーリーだったら自分なら見たかもなーと。



もうちょいマイルドに、チートはチートだけどそれを悪用されたら困るから、神様にロックかけられてて、それを解除するときはスマホで電話かける的な話もたぶん好きですw

普段はさえないけどロック解除した時だけチート、周りのヒロインだけほんのりそれを察してる的なお約束ねw



こういうのだったら、もうちょっと見れたかなーと思います。

まあこういう作品もいろいろ思うところはあるなーと思ったし、ネタとしては楽しめましたが、純粋に好きな人もいるだろうしこの辺で。