NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

最近読んだ本の感想あれこれ

コロナの自粛期間中も含めていろいろ読んだので、その辺の感想です。


読んだ本

負の世界遺産


負の世界遺産 (洋泉社MOOK)

大きなムック本。載ってる写真だけを拾ってパラパラ見れるのと、スポットはどこも世界遺産なので引き付けられる。ちょっとした観光案内本のようで単純に面白い。

みんな違ってみんないい、どこもいい場所だと思うのだけど、それがいずれも何らかの悲劇、負の歴史の舞台になった場所だというギャップがすごい。何も知らないと無邪気にgoodしそうで怖い。無責任にイイネしない方がいい場所も世の中にはあって、自分でアンテナ貼ってないとやっちゃいそうで怖-というのが主な感想だった。勉強大事。

それくらい今となってはインスタ映えしそうなスポットでしかない場所も多かったので逆にヤベェ感。その辺をかるーく押さえられるのでいい本と思う。単純に海外の写真集とも読めるし。歴史は重い場所が多いけど。

しかし世界中どこも見た目はいい場所ばかりなのに、人類って争ってばっかだなーとはどうしても思ったり。スケールデカくて、「十字軍の攻撃に耐えた城壁」とか今も残ってるらしくて、ほんとスケールのでかさに痺れる。


ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由


ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由

初めて知ったけどけっこう有名だったらしい「未来食堂」の話。知ったきっかけは下記の記事でした。


未来食堂・小林せかいさんが向き合う 「正しさ」への葛藤


試しに開いてみるとすごく引き込まれて最後まで一気に読めました。

個人的に刺さったなと思ったポイントは4点。

・多様性の実践
・働く意義とは何か?
・人を救うことの難しさ
・夢を実現するためのリアリスト的一面


筆者さんに感覚的に共感するところがあってそれぞれの発想や考えに素直に共感できるところが多く、個人的に金言の多い本でした。

多様性を受け入れられる人って鼻息荒く多様性を叫ぶ人よりも、こういう淡々とこだわらない感じの人のように思うことが多いように個人的には思ってます。


GIVE & TAKE


GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍

結局は人に与えることが長い目で見ると他人とのいい関係づくりに役立ち、最終的には大きな成功を自然に手にできるという話。日本人にとってはどこかなじみある話かもしれない。要は「情けは人のためならず」や「損して得取れ」


ただ、ギバー(人に多く与えるタイプの人)も2種類に分けられ、成功しやすいのは他者志向的ギバーというのが面白かったです。

与えまくるのは食い物にされるのでは?という不安はやっぱりあるし、実際にもっとも成功できていないという結果が出ているのも一部のギバー。


燃え尽きやすく、テイカー(人から多く持っていくタイプの人)から食い物にされやすいギバーから、ワンランク上のギバーになるためのコツや戦略が書かれていところが面白かったですね。あと、やっぱりテイカーってクソだなって改めてね。

SNS時代になってテイカーを見分けやすくなったというのは面白い話。日頃SNSを見る中で自己中っぽい人って何となくプロフ画像や発言とか、垢全体の雰囲気でわかるときあるよねと思うと、うんうんと。


再現性や法則化が厳格にできる科学の分野でないだけに、事例の紹介がとにかく多く、要点をちょっと掴みにくかったんですが、これは原書が海外ものの影響もあるかもしれない。


ケーキの切れない非行少年たち


ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)

ネットでもなんか見た気がして、すごく興味がありました。非行に走ってる少年たちには認知や知能に問題を抱えてることも多く、反省以前の少年たちも少なからずいる、という内容。


興味深くて面白かったけど、個人的には衝撃を受けたというような感覚はなくて、どうも自分にとって「反省以前の問題を抱えている」という構図はけっこう見慣れてしまったのかもというのが読んでみての意外な発見でした。

個人的には「じゃあこの問題を抱えた中でどう対応するのがいいのか」という7章の内容が未知で役立つものだったかもと思います。


ひきこもらない


ひきこもらない (幻冬舎単行本)

ある時期のphaさんの近況を元にしたエッセイ集という感じ。ファンにとっては面白い一冊だし、phaさん的な人の日常や感じていることを知りたいときにはいい一冊かも

引きこもらないというタイトルに意外性を感じたけど、よく考えたら一時期海外に住んでたとか、バックパックで気軽にいろんな所へ出かけたりとか、けっこうアクティブな方だからそうでもないかと。



街を家として使うという生き方と、phaさん流の旅行の楽しみ方、そして社会の片隅での生き方といったことが書いてある。

自分にとってphaさんはニートの歩き方以来けっこう好きなので特別な目新しさはなかったけど、個別のトピック単位でいえばけっこう面白かったです。


一番は「パチンコの打ち子バイトはもはや福祉かも」のところ。パチプロになった先輩から言われた台に軍資金を持って走って行って確保し、あとは12時間ひたすら打つだけというバイト。

自分の知らないアンダーグラウンドな世界があって、そこでうまく生きられる人たちっているんだなと。


phaさんの考え方や生き方とかをもう少し体系的に知りたいときはニートの歩き方や持たない幸福論の方がいいかもと思う。この本は雑記という向きがあって読み物としては面白い反面、こういう生き方の全体像をうまくカバーした本ではないように思うからだ。

それはもう前述の二冊があるので別にそれでいいと思うから、それを知りたい人はそっちを読もう。