2021年ももう終わりですよ。早い早い。気付けば年末を迎えてのアレコレです。
ダニエル・デフォー『ペスト』読んでみた
先々月のエントリでちょっと触れたダニエル・デフォーの『新訳ペスト』、冒頭がもう好きすぎる。
あれは1664年、9月の始め頃だったと思う。
近所の人たちとの何げない世間話のなかに、不吉な話題が混ざりだした。オランダでまたペストが流行し始めているらしい、と。
じつはその前の年、オランダではペストが猛威を振るい、とくにアムステルダムとロッテルダムに大きな被害をもたらした。病気のもとはイタリアから伝わったのだと言う人もいれば、地中海の東岸、おそらくトルコあたりから帰ってきた船が輸入品といっしょに持ち込んだのだろうと言う人もいた。
クレタ島のカンディアからではないか、いや、キプロスからではないか、と憶測は入り乱れた。ただ、「オランダが、ペスト流行の第二波に呑み込まれつつある」という点では、どの話も一致していた。
日記調の読み物好きなので、この書き出しだけで読んじゃいますわね。
先々月に書いた部分でちょっと訂正があって、ダニエル・デフォー本人は確かに件のペスト禍と同時代の人だけど、当時5歳くらい。しかも本人は疎開してたかもなので、本書の内容は日記調だけど、作者本人が直接見聞したことではなさそうです。
当時のロンドンに残っていた叔父の体験談がベースになってるのだろうみたいな話で、完全な創作でもなさそうです。
読んでると当事者の日記を本当に読んでいるようで面白かったです。そのリアリティって筆致の冷静さとは対照的な構成の粗さから生まれてる気がして。
訳者あとがきか何かで触れられてたことですが(もしかしたら別の『ペスト』のあとがきだったかもですが)、本書、話が超飛び飛びなんですよね。「先述の~」とか「以前に話した~」とかいう表記が頻出するんですが、話飛び飛びすぎてもうわっかんねぇよwみたいな。
自分にとって象徴的だったのが「ペスト禍を生き延びた3人組の庶民の話」で、後世の人に役立つ内容だろうとあるのでそれは気になると思ってたら、「でもまだ書き残してることがあるのでそっちを先に片付けよう」と後回しにされ。
で、「犠牲者を埋葬する穴を見に行った話」と「パブにいた度し難い常連客とその最期」が語られ、ようやく本題に戻るかと思えば、今度は「家屋封鎖の話」や「当時の感染経路や主人公の対策」が語られて。
後回しにされた3人組の話が再開されるのは100Pもあとだったりして、構成が粗いってこれかぁ・・・と実感。
構成が粗いのは短期間に集中して書きまくった作者の執筆スタイルに由来するみたいですけど、本書ではテーマとなんかマッチしていて妙な臨場感が生まれてるんですよね。
ペスト禍にある17世紀のロンドンで、今にも自分も死ぬかもしれない恐怖を抱えつつ、見聞きしたことを後世に残そうと思いつくことからとにかく書き殴っているように見えるというか。
読みやすいとは言えないけど、個人的には面白かったです。
インチキの薬や占いで一儲けする不届き者と騙される貧乏人みたいな、300年以上昔の話とは思えぬよみたいな話もあって。当時もそういうのあったのかもですね。
「薬でペストが治るどころか、かえって健康を害する者もいた」、「馬鹿げた護符を首からぶら下げたまま死体運搬の馬車で運ばれ、共同墓地の穴へと投げ込まれた」あたりの話、身につまされると同時にちょいちょい辛辣で笑ったw
フリーランスのほとんどが関係する「電子帳簿保存法の改正」案件
電子帳簿保存法なんてマジで知らんかったけど、件の法令がこの度改正され、もうあと数日で施行されるわけですが。
内容調べてみたら、いや、業種にもよるけど今はもうほとんどの人が関係するやんけこれ!!ってわりと肝が冷えた感じで。
知った経緯がTwitterで誰かがたまたまつぶやいてたのを見かけただけっていうね。たぶんほとんどの世界線で自分この案件知らんと思う。
ざっくりいうと、これまでは「仕事関係の書類は電子形式で『保存してもいい』」だったのが、一部の条件に当てはまる書類は「電子形式でしか保存が認められない」に変わったんですよね。
さらに気を付けたいのが、電子形式での保存って、単に自分のPCとかにデータ入れとけばいいじゃなくて、保存方法に要件があって、それを満たす形での保存が必須と。
そのデータがいつ・どの段階で存在したものかを客観的に証明できないといけなくて、法人とかだったらタイムスタンプの利用がまあ早いんでしょうねぇ。
青色申告65万円の要件にもしれっと絡んでいて、e-tax使ってない方は来年以降に65万円控除得ようと思うと、本案件でいう「優良な電子帳簿」を作成しないといけません。できなければ控除額は55万円になるらしいです。
素人が優良な電子帳簿を作れるかどうかは会計ソフトでほぼ決まる気がしていて、この案件について調査した当時には、自分が使っている「青色申告オンライン」では作れないとされてました。今も変わってないなら、会計ソフトの変更も検討してたかもです。
自分はもう別の理由で数年前からe-taxに乗り換えてるので、この点はスルーできたのでひとまずよかった。
本案件は自分にとって寝耳にウォーターもいいところで(情報力が低いだけだけど)、概要を把握するのにひどく手間取って。ここまで着手が億劫で、調べてもわっけわからんとぐったりしたのは、初めて青色申告やったとき以来でした。
ネットにも情報はいろいろあるけど、概要がある程度頭に入った今思うと、微妙に間違ってる内容が結構多かったです。
調査するとき、基本は国税庁のパンフレット( https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf )がいいかと思います。
パンフレットを一回見てもわからんときは、そこでいろいろとネットの情報をあたるといいかと。
でもパンフレットと行ったり来たりして、1個ずつ意味を理解していくのを勧めますかね。内容が食い違うときはパンフレットのほうが正しいと思ったほうがいいかもです。
本案件に関する国税庁の一問一答もかなり参考になります。
↓の図は概要の理解にかなり役に立ちました(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】より https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf )
もうあまりにアレなので税務署にも直接聞きに行ったし、国税庁の質問窓口にも電話して聞きました。
WEB記事漁るより本丸に直接聞いたほうが早くて確実なところがあるので、ある程度調べて分からないことが出たら聞く、また調べて行き詰まったら聞く、を繰り返す感じですかね。
個人的には国税庁の質問窓口に聞くのがいい感じでした。問い合わせに慣れてる感じがして、けっこう親切にいろいろ教えてくれて助かったので。
アマプラに久々に入って映画などいろいろ観たので感想
・1917 命をかけた伝令
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見たいと思ってたやつ。配信終了間際に滑り込みで見れた。ワンカットフィルムはなんかゲームやってるみたいだなーという感想。撮影手法もだけど話も面白かったすね。
・少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド
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ワイのTLではわりと絶賛されてたけど、これTVシリーズの総集編なんですよね。多少の追加はされてますけど。
自分はどうも総集編って気分が乗らないことが多くて、本作も例外ではなかったです。やはり人の意見は話半分で聞くべきだと再認識できたのがよかった。
自分はガンオタではないし、メカものもそんなに詳しくないうえに原作も知らんので、ものすごい感動したとかはなかったけど普通に話が面白かったです。セリフのなかにちょくちょく登場する富野節の存在感たるやw
・スーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン !
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スーパーサイズミーの続編。今回は監督がFF(ファーストフード)を食べまくるのではなくて、自分がFF店を作るお話。テーマは前作と同じくFF業界の裏側の暴露。
冒頭の『答えを知る方法の1つは問題の一部になることだ』(業界の問題を知るには自分がその業界に飛び込めばいい、的な意)はわりと至言と思った。
孵化から6週間で出荷できるまでに成長する(させられる)鶏とか、養鶏家を支配する大手メーカーの仕組みとか、内容は結構ヘビーなんだけど、どこか軽快にサクサク話が進んでいくので見やすかったです。
面白いと安易に言えないテーマでもあるけど、個人的には面白かったです。
・エクストリーム・ジョブ
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始めて韓国映画見たかも。本分忘れて店の営業に没頭する前半と、店を本業にしたあとでいまさらデカっぽい活躍する後半パートの皮肉がおもしろかった。ハリウッドでのリメイクも決まってるらしい。
スーパーサイズミー2のあとで見たので、またチキンかよwと。みんな大好きフライドチキン。
・シェフ 三ツ星フードトラック始めました
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SNSは怖いねという話。転落からの再生という構成で前半がちょっとしんどいので飛ばして、いろいろ再生したラスト付近から見始め、ちょっと戻りちょっと戻りのメメント方式で結局全部見てしまった。
そうか、映画ってこうやって見てもいいのかって発見があって面白かった。
・映像研には手を出すな!
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話題になってただけあって面白い。アニメ作りがテーマで泥臭さがやはりあるけど、SIROBAKOよりも夢や青春感がどこかあって爽やかな気分になるかも。虚実入り混じる描写、大好物です。
今年もお疲れさまでした
毎日の体感速度が年々加速していく一方で、もう年末かよと。これはもう残りの人生マジで少ないわって体感でわかってしまうのが悲しいすね。
しかし今年はコロナ禍にあったわけで、一時はリアルに医療崩壊も起きていたわけで、年末をこうして迎えられるのも当たり前じゃないんだよなって思うと、いろいろね。
今年も一年お疲れさまでした。よいお年をお過ごしくださいませ。