NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

陰謀論者と身の危険・リターンズ

大昔に別のブログかなんかで似たようなこと書いた気がするのでタイトルに「リターンズ」とつけたけど、深い意味はないです。

陰謀論で「社会の表側に出回らない情報」という触れ込みがよくされてたりするけど、ヤバいこと実際にばらすとけっこう危険なんだよなぁということで。


個人的に陰謀論にはわりと惹かれてしまうところがある一方で、その論者の身に何か迫るものがあるのか、何も起きてないなら言うほどヤバい情報じゃないのでは?みたいに思うところもあって。

大昔に似たようなこと書いたときから今までのところで、実際に一線を越えた人の事例みたいなのも追加で多少読んだりしたので、その辺の話です。


ヤバい一線を実際に越えるとどうなるのか問題

■ヤクザ専門ライターの事例

ヤバい一線を越えたときに身に危険が迫った事例として最初に浮かぶのは、ヤクザ専門ライターの鈴木智彦氏が『潜入ルポ やくざの修羅場』で書いていた内容ですかね。

筆者曰く「暴力団記事は書いていいこととまずいことがはっきりしている」らしく、その一線を越えたときの体験談が同書で少し語られています。

 原稿がぽちぽちできあがる頃……徹夜明けの朝6時、玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると、黒っぽいジャージやジャンパーを着こんだ4,5人の男が押し入ってきた。正確に人数を書けないのは侵入と同時に顔面を殴られたからで、彼らは私の机をひっくり返し、パソコンを叩き壊して去った。2,3分してなんとか起き上がり、鏡を見ると顔面は傷だらけだった。
(中略)
 この訪問が暴力団からの警告だったことは明らかだった。数日前、複数の組織から電話があり、記事を取りやめるよう恫喝もあって、内心、ビクビクしながらそれを拒絶していた。触れてはいけない部分にタッチしている自覚はある。ただそうした記述があまりに多すぎ、誰に襲われたか分からない。
 大阪に逃げても上の空で、食事さえ喉を通らなかった。はじめて心療内科に通い精神安定剤を服用した。携帯電話が鳴る度、心臓の鼓動が高鳴った。

この一件は、筆者の様子を見ていた大阪の独立組織幹部が話をつけてくれて事なきを得たらしく、件の原稿も公開はできたとのこと。

ただ、この経験からか「タブーとされている部分を暴露しようと思うなら、相応の覚悟が必要だ」と語られています。


潜入ルポ やくざの修羅場

■組織の不正を暴いた内部告発者の事例

自分の所属する組織の不正行為は一般的にアンタッチャブルとされていて(その是非を今はさておいて)、ガチ告発でいろいろ失った事例もたまにWEBで観測するわけで

これもヤバい一線を越えた事例の一つかなぁと個人的には考えています。


たとえば、2004年の2月に警察の裏金作りを告発した原田宏二氏の例。

悪事暴いても「裏切り者」内部告発の悲しい現実 | 災害・事件・裁判 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

原田氏の行動は市民らの支持を受ける一方、自宅には原田氏を批難する封書やはがきが殺到した。その数は、数百通。その一部を原田氏は今も保管している。いずれも、罵詈雑言の嵐である。

内部告発を実際に行った経験もあってか、以下のようにも語られています。

私の会見後、各地の警察で相次いで裏金が発覚しました。少なくとも12府県で警察官OBによる内部告発があり、1件だけ現職警察官(巡査部長)による告発もありました。告発の動機は本人だけが知っていることですが、それら内部告発者の多くは線香花火のように消えてしまいました。
報道機関の関心はすぐに薄れます。内部告発はいっとき、なのです。内部告発者を最後まで守ってくれるシステムはありません。告発後は生活保護で暮らした者もいると聞きました。内部告発者は、自らが自分を守る覚悟が必要だと思います。

ヤバい一線を越えたときに迫るものには、目に見える暴力だけではなくて、経済的兵糧攻めというか、干されて生活基盤を失う系もあるんだろうなぁと。


内部告発に関する記事はほかにもあります。

news.yahoo.co.jp

こちらは3つの事例が載っていて、2人目の内部告発者は告発のことを後悔していて、「当時に戻れたら同じことはしない」と語っています。リアルな声だと思います。


一応、2006年に公益通報者保護法という法律も施行されているようですが、施行の前後で状況が劇的に変わったとは思えず、内部告発をするかどうかの一線はいまでもヤバいラインになっているだろうなと個人的には感じます。



・・・というようなことを書いていたら、店舗の運営状況を告発したタイムリーな話題が。

www.itmedia.co.jp

まだわりと発生直後で要観察ですが、告発者氏のところには「関係者があの手この手で接触しようとしてくる」とかがすでに起きたようですね。

先の「内部告発はいっとき」といった話を見るとちょっと心配になる感じですが、「自分に失うものはない」といった発言から相応の覚悟も感じられるわけで。

ひとまずは新たな事例としてしばらく注目してようと思ってます。


■ 影響が国境を越えたスノーデン事件の事例

NSA(米国家安全保障局)が一般市民や同盟国家の一部に対して情報収集活動を行っていたことが、同局の関係者だったエドワード・スノーデン氏によって暴露された事件。

いわゆるスノーデン事件はスケールでかすぎて「内部告発Lv.99」みたいに感じるところです。


告発の結果、スノーデン氏は国から追われる身となり、氏が当時滞在していた香港は引き渡しの要求を受けたと。

『スノーデン独白 消せない記録』によると、香港からは「邪魔だ」といった対応を受けて離れざるをえなくなり、最終的にモスクワへ飛んだわけですが、そのときのことについて語られています。

 ぼくの支援チームは、アイスランドからインドまであらゆる国の高官に接触し、政治犯とされる人物の外国引き渡しに対する禁止を尊重して、ぼくの旅行がおこなわれた場合に干渉しないと約束するか尋ねた。やがてはっきりしたのは、最も先進的な民主主義国ですら、アメリカ政府の怒りを買うのはこわいということだった。私的には同情を述べてくれるけれど、非公式な保証すら提供したがらない。ぼくのところに流れてきた助言の共通因子は、引き渡し条約のない国だけに着陸し、米軍との協力や米軍への配慮を見せた記録のある国の空域を横切るルートはすべて避けろ、ということだった。

往年のスパイ映画か?って思うことが、割と最近のところで現実に行われてたんだなーと。

アメリカの影響をあまり受けない国っていったらいわゆる東側にならざるをえず、その筆頭たるロシアが亡命先になったのは必然だったかもしれないなぁとは思うところで。

スノーデン氏は今どこでどうしてるんでしょうね。今もロシアにいるとしたら、現在の状況を思うと気が気ではないのでは、という感じもしますが。


あと、「プーチン氏は元KGBであるだけに情報管理には人一倍厳しくて、内部告発者を決して許さない(スノーデン氏に対してはアメリカへの交渉材料として一時的に受け入れただけで本音では嫌っている)」みたいな陰謀論も見たことあって、その辺の真相も気になるところです。

いずれにしても、ヤバい一線を越えると時に国から追われることもあるという事例として、個人的にスノーデン事件は印象に残っています。


スノーデン独白 消せない記録

その論者に身の危険は迫っているのか問題

ガチの裏側の情報を実際にばらすとけっこう危険な目に遭うって事例をいくつか観測すると、「世の中に出回らないと自称される情報」ってほんとなんか??って思うところで。


まあ、なんかあれこれあって無事な事例もあるんかなーと、最近話題の暴露系のYouTuberの人見ててちょっと思ってたけど、この方も身を隠してたのですね(あまりちゃんと話追ってなくて詳しくない)。

www.tokyo-sports.co.jp


「居場所が特定される可能性」とか「期間を決めて移動している」とか、出てくるフレーズがいろいろ物騒で草も生えない。

この方は先の参議院選で当選を果たしたわけだけど、帰国に二の足を踏んでいるとかいう話もあって、暴露って行為はやっぱやべぇんだなぁと。

www.sponichi.co.jp




まあやっぱりヤバい情報の公開ってそれなりにリスクがともなうもので、下手にやろうものなら発信者は何らかの返礼(意味深)を受けることになるのかなーと。

ということは、世の中に出回らない情報を話しているはずの人がピンピンしてるのはちょっと不思議なのかなーとは思ってしまうところで。


本当にヤバい情報ってその辺の庶民がおいそれと入手できることはないって意見を何度か見たことがあって、残念だけどその通りなのかもと最近思ったりします。

これは有料の情報でも同じことであって、庶民がちょっとやそっと金積んだくらいでガチの秘密の情報がそんな簡単に手に入ることはないのだろうと。

話し手の立場から考えたら、その情報をばらしたあとで起こることを思うと1,000万円とかでもなかなか割に合わないでしょうと。


自身の身に降りかかる危険を回避するため、あえてガセネタを山ほど真剣に取り上げてAHOを演じつつ、本命のネタをそっと忍ばせるみたいな手法もあるとかないとか。

そこまでされたらもうわっかんねぇけど、庶民にすぐばれる嘘じゃフェイクにならねぇ案件でもあって、もうこれちょっとほんとわっかんねぇと。

本当の本当にガチの裏側の情報は公の場にはまず出回らなくて、自分の人脈からオフレコの話として入手するしかないって身も蓋もない話がそれなりに真なのかなぁと。



でも個人的には陰謀論ってどこか惹かれてしまうところもあって、なんか見ちゃうのだよなとw

最近はいわゆる陰謀論の教祖よりもフォロワーのほうに関心があって、そのへんの庶民には裏取りしようもないこの話を信じるにいたった経緯とか理由とか、めちゃくちゃ興味あるんですよね。


世間的にはまったく無名の人でも各人の人生にはほんといろいろあって、相応の背景があって現在の信念やら生き方につながるものなので、あるスタンスに至った経緯とか見ると、特定の意見や情報に対しても理解が深まる気がしていて。

世間的に陰謀論と呼ばれる情報を割と本気で信じている方は、その情報の内容よりも(内容は教祖の発信みればわかるので)、その情報を信じるにいたったご自身の話をSNSでもブログでもなんでもいいので、ぜひぜひ語ってもらいたいところですね。