NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

言うほど人嫌いでもなかったのかもしれない話

自分は人嫌いのケがあるとこれまで思ってたし、実際に誰かとずっと一緒にいるのは無理なんだけど、まあそこまで人嫌いでもなかったのかもと最近は思ってます。

で、良くも悪くも自分って平凡なんだよなって結論に落ち着くという、そのへんの話です。


残念ながら自分もけっこう他人を求めてるのかもなと

言うほど人嫌いじゃないのでは疑惑が出てきたきっかけは、普段見てるアニメとか映画とかで。

「嫌なものは見なきゃいい」って当たり前のスタンスがここ数年でようやく身に付いたようで、ノットフォーミーな作品やシーンはバンバン飛ばすようになってきたんですが。


そうすると、自分が意図的に避けるジャンルやシーンに自覚的になってくるんですよね。裏返せば、今の自分がスルーしないものは好みなのだろうと。

で、自分は人間ドラマとか日常系とか、人同士の関わりがテーマのものをけっこう見てるよなと思うようになりまして。

本当に人嫌いだったら、人同士のアレコレが出てくるアニメだの映画だの不快なだけで、大自然のドキュメンタリーとかをひとすら見てただろと。


ゲームでもそうで、大昔に『ガンパレード・マーチ』をプレイしたとき、日常パートで仲間たちと絆を深めるみたいなところに衝撃を受けて、めちゃくちゃやり込んで。

あれ、自分にとって初めてやったギャルゲーだったのかもしれない。ゲーム自体は全然ギャルゲーじゃないけど(そういう要素もちょっとあるだけ)。

これなんかも、心底人嫌いだったらあんなにのめり込まなかったよなって。



で、実生活で考えても最近は他人への抵抗感が昔ほどなくなってきてるんだけど、たぶんこれ、自分の性分が変わったとは思えないんですよね。

これまでは人間関係成分を主にアニメやゲームとかで補ってたのが、年取ったのとほかにもあれこれあったのとで、リアルのほうにピントが合うようになっただけな感じで。

ああ、もとから自分はそこそこに他人を求めてたのかなぁみたいな気付きを得ると、いやぁ、蓋を開ければ開けるほど自分って平凡なんだなって感想になるんだよなと。


「良くも悪くも平凡」というフレーズで思い出す映画の話

良くも悪くも平凡なんだなーって思うと、『ザ・ビーチ』って映画を自分はなんか思い出します。これねぇ、まあまあひでぇ映画なんすよ。

若い頃に見たらクソ映画だろとしか思わなかったけど、幸か不幸か年くったあとに見たので、なんか微妙な味わい深さみたいなのも感じて妙に記憶に残ってます。

逆シャアの良さは30歳を過ぎたらわかる」みたいなのもこういう感覚なんだろうか。



細かい設定とかあらすじは心底うろ覚えなんだけど、ざっくりいえば、「バックパッカーの若者が、旅先で知った『楽園とうたわれる伝説のビーチ』を追い求めて実際にたどり着くけど、現実は意外としょっぱかった」みたいな話です。

主人公(演・レオナルド=ディカプリオ)がひたすらにアレ、ビーチにいるウェイたちもアレ、主人公に彼女NTRれたフランス野郎のいい奴っぷりだけがひたすらに際立つみたいな。

タイタニック』で世界的スターに駆け上がったレオナルド=ディカプリオが、山のような出演オファーを蹴ってまで出演した異色作といわれるだけに、けっこうなお手前ですわと。



この映画、「たどり着いたビーチでウェーーーーイしようとしたけどなんか乗り切れない」前半と、「いろいろあって道を外れるけど全然大したことできない」後半に分けられると思っていて(超うろ覚えで違うかもだけど)。

特に後半、ジャングルで一人コマンドーごっこに明け暮れ、近くにいる武装農民たちの銃奪ってぶっぱしてやるぜ!!って乗り込むけど、いざとなると怖くなって相手のバンダナ1個パクッて逃げるだけの主人公、みたいな。

で、ほんといろいろやらかして死人まで出ちゃったのに、主人公は最後にしれっと帰国・就職してて、あのビーチでの出来事を「ほろ苦い青春の思い出」みたいにしてまとめちゃうのはだめだろとwww



この映画を通して自分が感じたのが、この主人公、良くも悪くも平凡なんだよなってことで。享楽主義的なビーチの住人たちといまいちウェイウェイできず、かといってアウトローな方向にも突き抜けられないという。

クソというよりまだ幼くて、結果的に周囲を振り回しがちなんだよなと。若さゆえの情動に突き動かされ、不確かな未来をつかもうと懸命だけど、人としての未熟さに足を引っ張られて無残な結果に終わるという、これもまた青春、みたいな。

けっこうアレな主人公なだけに、自分と重なるところがあるのかもしれないです。



妙な生き方してたこの10年は、『ザ・ビーチ』の後半パートみたいな時間だったなーって、最近ちょっと思います。

人の輪のなかでうまく泳げず、脇道に逸れても特に突き抜けられることもなく、良くも悪くも平凡、みたいなね。

人嫌いのケがあると思ってたのにそうでもなかったのかもって気づきは、自分がそこそこ普通な奴なんだと感じるのに十分だった。


まあ、どんな人にも何らかの特性や偏りがあるから、普通とか平凡とかいう人は厳密にはいなくて。

自分のことを「普通」とか「平凡」とかいう捉え方をしてる限り、自分に向いている生き方とか立ち位置とかは見えてこないとも思っていて、自分の特性をより詳しく知れたのはここ最近の生き方の収穫ではありました。


発達障害の知識とか、他人との距離の取り方とか、いろいろ知って生の人間関係の摩擦が減ったからこそ、昔よりもリアルのほうに関心が向くようになった部分もたぶんあるでしょうしね。

っていうアレコレはもちろんあるけども、自分が思ってるよりかは、自分は普通寄りの人間っぽいなって感覚に落ち着いて複雑な気分になるというアレです。




ザ・ビーチ』はもとから万人受けはしなさそうなうえにもう古い映画なのもあって、個人的にはおすすめはできないかなって感じですが、B級映画とかお好きな方にはいいかもです。

若き日のレオナルド=ディカプリオが演じてるだけに、主人公、見た目は良いっすよ。20世紀のイケメンとして記録に残すべきレベル。