NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

劇場版Fate HF(第一章) 見てきたので感想

元のゲームはもう10年近く前の作品だけど、Fateシリーズは広がり続けてて、ついにHLの劇場アニメ化と。第一章が現在絶賛公開中だったので見てきました。

www.fate-sn.com

せっかくなので感想書きます。ネタバレとかはあまり気にしないのでご注意を。

HL独特の不気味なルートがちゃんと映像化されてた


Fateには3つのルートがあり、これは最後のルートになるHL(ヘブンズ・フィール)。

Fateとは基本的にどんな話か?は、もう先の2つのルートで明らかになってるので、これは「冬木で行われている聖杯戦争とはそもそも何なのか?」という舞台設定について明らかになるルート。


そのためにこのルートではどの陣営が勝つかという正規のサバイバルレースはあまり行われず、イレギュラーな事態が起きて本来の聖杯戦争は崩壊していきます。

その様を楽しむ(?)ルートで、別のルートではあんなに活躍したサーヴァントとかほんと一瞬で退場wwwとか、そういうのあったりとか。

そういう意味で、どっちかといえば地味。熱く燃えるような王道バトルを楽しむルートではなく、全体的に暗くて重い印象あります。




そういうルートになるのが、ちゃんと映像化されてるなーという印象でした。

まず他のルートでは「聖杯戦争とは何か?」という基本ルールの説明が必ずあり、観客の分身となるビギナーな主人公・士郎を通して世界観を知るわけですが。


それがこの映画ではまるっとカット。その他、全ルート共通になるプロローグの部分はOPの背景映像として流すに留めて、いちいちやらないのはHLらしい演出だなーと思いました。

原作ならこのルートが解放された時点で、もう知ってるはずですしね、その辺のことはw 劇場版ということで枠も限られてることだし、そこを飛ばしてすぐ本編に入るのはグッドでした。


それだけに、初見でいきなりコレ見ても聖杯戦争がどうの、サーヴァントがどうのって部分をすっ飛ばしてすぐHL本編が始まるので、雰囲気での視聴になるかもなーとは思いました。

気になる戦闘シーンはさすがの一言。でもテイストはTV版UBWと一緒と思った


Fateの2番目のルートになるのがUBWで、最初の基本ルートでは明かされなかったアーチャーの衝撃の正体が明らかになる、原作でも人気ルート。

そんなルートになるだけに1回劇場アニメ化されてるし、それとはまた別に、2クールかけてTVアニメかもされてます。

この2クールのアニメ版のクオリティが劇場レベルと当時話題になったりしましたが。そこと同じとこがこれを作ってて、今回は満を持しての映画化ということで。



そりゃあもう戦闘シーンのド派手さときたら、すげぇな(小並感)でしたよ。あれを言葉にするだけの語彙力はさっぱりなんだという話でw

ふと思ったけど、ようやく映像技術がFateの世界観を表すのに追いついたのかなとすら思いました。



ただ、個人的には演出のテイストはUBWと共通だったので、まったく新しいものを見られたかといったら、そこまでではなかったかなと。

個人的には最初期の映像化とまったく演出のテイストが変わった前回のUBW(TV版)の方が、まったく新しいものを見られた感があり、すごく印象に残ったのは覚えてます。

そういう感覚は、今回についてはなかったかなと。



もちろん映像はド派手になってるので、わかる人には勃起モノかもですが、個人的にはもうその筋の人か一部の玄人じゃないと違いを認識できないレベルになってるのかなとは思いました。

戦闘シーンは少なめでも質は極上

HL自体が正規の聖杯戦争が崩壊するルートになる上に、この劇場アニメは3部作制でこれは1作目になるので、物語としては序盤。

戦闘シーンはかなり少なめです。特に前半はほとんど本格的なバトルがないので、戦闘シーン目当てで見るとしばらく退屈かもねとは思います。


ただ、一瞬で終わる戦闘でも、演出が素晴らしいのですごく印象的です。

セイバーとライダーの戦闘はワカメ兄さんが出しゃばってきた影響で一瞬で終わるのだけど、「両者の実力差がとてもよくわかる一瞬の戦闘」の映像化ってこういうのを言うのかもなと思いました。


本格的な戦闘が全体を通して少ないのですが、後半の最後でドドドっと連続戦闘くるので、思わず身を乗り出しちゃう感じ。ランサー兄貴とアサシン(真)のバトルは必見と思う。


日常パートで印象的だった部分

BGM控えめの序盤日常パート

TV版のUBWでも共通なんですけど、Fateって激しいバトルもあったりの作品でアクティブな印象の強い作品なんですけど、それなのになんか静かな印象があるなーと思ったのですが。

聖杯戦争が始まる前の日常パートで、あえてBGMが控えめなんですよね。ほとんど声優さんの会話ドラマみたいな印象で、すごく静か。

それが嵐の前の静けさという感じがあって、とても個人的に好きです。



この劇場アニメでは最初に前日譚として主人公・士郎とHLのヒロイン・桜とのこれまでの映像が流れますが、そのパートはBGMがあまり流れず、まさに嵐の前の静けさ。

ホラー映画とかでも事が起こる前には平和な日常パートが流れたりするじゃないですか。


観客はこれから悲劇が起こるともちろん知ってるわけで、この平和な日常がどうなるのか、まだ何も起こってないのに身構えちゃう感じ。

それがこの映画でも共通だったのは個人的に好きでした。

嫌な奴だけど人間臭いワカメ兄さん

メインヒロインの兄・慎二。通称・ワカメ。一応、主人公の友人。めっちゃ嫌なやつで聖杯戦争中にも実際に敵として立ちはだかったりするんですが。

でも人間臭くて、すっげー歪んでるけど、一応主人公のことを気に入っていて、慎二なりに気にかけてるっていう設定があったと思うんですけど。



まだ事が起こる前の序盤、慎二に無茶ぶりされた要求をあっさり受け入れちゃう主人公見て、むしろいら立つワカメ兄さん。

ああここ、人間臭いところだなと思ったところでした。慎二としては、本当はそこで主人公が怒って拒否るのをむしろ期待してた的な。


「そうじゃねーだろ、そこは怒るとこだろお前」って言わんばかりのリアクションを見て、士郎の方が異常で、めっちゃ嫌な奴の慎二の方がむしろ人として正常というアレが浮き彫りだったなぁと。

そしてそういうフックを出して、人として正常なリアクションをどっかで期待してるところとか、慎二が士郎のことを歪んだ形ながらも友人として気にかけてるところなのかなと思ったりして、印象的でした。



本編の映像を離れて、こういう歪んだパーソナリティを感じさせる中の人はすごいなという感想も。

慎二の中の人はずっと神谷さんだけど、初めてFate見たときはそれほど注目してなかったけど、今では物語シリーズで不動のキャストだしなぁと。

そっち系の王道主人公キャラもよくやっていらっしゃるけど、それと慎二はまったくキャラ違うけど、違和感がないのはすげぇの一言でした。


劇場の様子。さすがのビッグタイトルで中年ぽい人多かった


見に行ったのが平日の昼間だったのもあると思うんですけど、観客は自分も含めてけっこう年齢層高めな印象でした。

そして女性もそこそこいたので、ああさすがのFateだなーという感想だったのでした。


でも年齢層高めなのは平日の昼間だからだよね?という心配も。なんだかんだで、これも10年近く前の作品ですからね。

FGOは今大人気だけど、原作Fateってどれくらい人気なんだろとは思いました。新規ファン、特に若い人はどれだけ獲得してるんだろうかと。

SAOとか、若いファンを獲得してるんじゃないかって説を見たりしたけど、Fateはどうなんでしょうね。正直、話が重いので、ライトな作品を好む層からどれだけ好まれるかは・・・ってところで。


観客の入りは6~7割くらい埋まってた印象。コアな作品だし、平日の昼だからガラガラだろwwwとか思って劇場行ってすいませんでしたw

チケット買うときまあまあ席埋まっててちょっと焦ったw



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感想のまとめとしては懐かしのFateをハイクオリティに映像化してもらったわけで、十分すぎるほど満足でした。いろいろ思うところもあって、見てて楽しかったです。

あえて劇場で見るべきかと言われたらよくわからんけど、戦闘シーンの迫力とか楽しみたい人はやっぱり見に行った方がいいんじゃないですかね。

あと、期待してなかったけど来場者特典のミニ色紙もらえて、それがセイバーとセイバーオルタの2ショットで、けっこう嬉しかったり。