NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

『ファンタジーの生まれるまで』

イギリスの児童文学のいくつかが取り上げられ、「それが書かれるまでの経緯」について、作者の簡単なプロフィールや人生、その当時の社会の状況などから考察されてます。


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タイトルと、そして表紙に魅かれて読みましたw ジャケ買いならぬジャケ借りでしたねw 

関係ないですけど、古い本、それもイギリスとかあの辺の本ってもうアンティークな雰囲気を醸し出してますよね。本そのものをインテリアとして使う人の気持ちもちょっとわかります。




中身をさほど確認せずに借りて読んだので、まあ事前に思ってたよりもがっしりした作りだったなという印象ですw 
興味がある方にはなかなかおもしろい一冊かなーと思いますが、さほどでもない方にとってはちょっと読み進めるのに時間がかかるかもしれません。

ちなみに、タイトルにはファンタジーとありますが、有名な童話系の話が取り上げられているのではない感じです。
そちら方面に興味関心がある方にとっては有名なのかどうかはわかりませんが、少なくとも自分はまったく知らなかった本が取り上げられています。ファンタジーというよりは児童文学という感じのニュアンスでしょうか。


おもしろいなと思ったのは、当時の社会から生まれたこれらの著作について考察しようと思えば、必然的に当時の社会の状況について知らなければならないのだという事実です。

本文中で取り上げられた児童文学は、産業革命によってもたらされた児童酷使という当時の状況から生まれた面もあるのだとか。

これはなにも本とか文学に限った話じゃないなーと思いました。今からずっと昔に書かれたもの、生まれたもの、作られたもの。
それらについて考察を深め、その本質を知ろうとすれば必然的に当時の世の中の流れや空気、客観的状況についても知らざるをえないということです。

それを抜きにして現代人の感覚で当時の社会から生まれたものだけを切り取って考察しても、それが生まれるに至った経緯をスッ飛ばしている以上、本質がつかめないのも道理なんでしょうね。

歴史そのものに興味があるのではなく、古物とか歴史物とか骨董品とかに興味がある方は一見それだけを研究してりゃいいように思えて、実際はあわせて歴史の勉強までしなくてはならないのですから、なかなか難義な話ですね(^_^;)

ファンタジーの生まれるまで (作品を読んで考えるイギリス児童文学講座1)

ファンタジーの生まれるまで (作品を読んで考えるイギリス児童文学講座1)