読みました
- 作者: 伊藤洋志
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2012/07/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ざっくり内容を言いますと、小さなニーズはあり余るほどあり、それに目が向けられていないだけである。そのような小さなニーズを企業経営的文化や手法でビジネスにするのではなく、一個人の取り組みで解決し仕事とすることも十分可能であり、人的つながりをそこに持ち込み小さなグループで取り組む事も可能。
過度な競争や闘争心といったものを苦手としている人にとって、グローバル化が進む現在、下手をすると70億人との競争にも巻き込まれかねない。そのような世界規模での競争に勝ち残るための手法ではなく、そもそも競争が激しくない部分の仕事で生きていく手法である。
世間で取り上げられていないだけで多量にある小さなニーズをいくつも拾いあげ「複業」とすることでも十分に稼ぐこともできる。また、仕事の初めから終わりまですべての仕事が見えるので過度な分業が進む現在の企業では得られにくい達成感やその仕事の意義などがよく分かる。そして、一人では厳しい部分は同士を募ったりすることで、得がたい仲間といった人的つながりまでが得られる手法でもある。
なぜこのような働き方が必要か、と言う部分についてはもう多くの方がそれぞれで普段感じていらっしゃるんじゃないかと思います。企業に雇われることで生じる矛盾や違和感などを持っている方が多いのではないかと思います。
話自体はよくわかりましたし、感想を言うと、もやもや感じている事をパシッと言葉にしてくれている本だと思いました。うまく言葉にできなかった部分というのがきれいに説明されているのでちょっとスッキリ(笑)
小さなニーズが多くあるっていうのもよく知りませんけど納得はしました。最近の世の中で「仕事がない」って言葉をよく聞きますが、仕事って空気みたいに最初からどっかにあるものだったり、山に入ったら木の実みたいになってるものでもないように思いますね。
現代人のイメージする「仕事」っていう型にはまっていないだけで仕事の原石は十分あるということ。そしてそれを拾いあげ仕事にできるかどうかは個人レベルでも十分可能だという話のようです。
ただ自分にとってのキーワードであるコミュ障っていうものを考えると、少し人との繋がりが強調されすぎてるなーと思わずにはいられませんでした……。
著者は、「激しく儲かったりとかしないけど皆でワイワイやりながら生活が維持できて、その上自分のスキルも少しずつ向上し、人脈までできる!」っていうのを強調されていた印象ですね。
自分にとって「毎日新しい人と出会える!」っていうのは「毎日初対面の人と顔を会わせないといけない苦痛」でしかないんですよねぇ(´・ω・`)
人間が嫌いだとかそこまではいかないんですけど、「皆でわいわいやる」っていうのも、自分にとってはデッドボールではないにせよボールゾーンなんですよ……。
そういうのは部活のノリとかお祭りのノリがそもそも好きな人向けって感じがしてなりません。そもそもそのノリ自体を敬遠しがちな人間にとってはこの方法をそのままでいくと、結局心身のバランスをトレード対価にせざるをえなくて、企業で無理に働いてんのとそこまでは変わらないって話になるのかもしれません。
ナリワイを作るまでの心構えや小さなニーズはたくさんあること、それを仕事にするまでのプロセスなどは大変参考になりました。