お笑いコンビ・オードリーの若林さんのコラム本ですね。雑誌かなにかに3年くらい連載されていたものを加筆修正してまとめた本のようです。
若林さんと感性が近い人ほど引き込まれると思います。自分は引きこまれましたw
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図書館で何げなく見かけ、なぜか妙に気になり借りた一冊です。
理由は「若林さんだったから」。自分と感じ方が近いかもなという予感がありました。
以前「アメトーーク」で「人見知り芸人」として出てた回を見たんですが、あ〜わかるわ〜というのをすごい感じたもので。ていうか芸人さんでも人見知りな人いるんだと正直思いました。
余談ですが、たしか「〜じゃない方芸人」というのでも若林さんをお見かけした気がします。あの回もおもしろかったですね。「どうも、オードリーの春日じゃない方、若林です」という自己紹介に「なるほどね!wwww」となった記憶がw
まあそれは置いといて。
肝心なのは「若林さんは人見知りらしい」ということの方です。
自分もかなりの人見知りなのでどうかなと思ってこの本を読んだんですが……
若林さんが人見知りというのは本書にもちょいちょい登場したフレーズですが、通して読むと若林さんのイメージちょっと変わりました。
これまではどちらかというと「シャイな方」という印象が強かったですが、それに加えて、
・自意識過剰(妙に構えてるところがある)
・口が悪い(悪いというか、減らず口が多い。言い方がキツイ)
・ネガティブ系
・元自己啓発チャレンジャー
・時間を無駄に使うこと自体が好きな感じ
といった側面も知れました。
うん、まんま自分ですねwwwww
人見知りっていう共通点があるからちょっと興味があっただけなのが滅茶苦茶シンパシーを感じるまでになりましたwwwwww
好きなやつらとやる飲み会は大好きだけど大人数でやるのは嫌いとかいうのもホントよくわかりますw
若林さんって春日さんと並んで立ってコント中はツッコミをされてますからね。
なんか真面目でそつなくいろんなことをこなせる人みたいなイメージがあったんですけど(衣装がたいていスーツ姿なのもあると思いますが)、若林さんも若林さんで強烈な個性をされてますね。
今度このお二人を見たら若林さんの方に目がいきそうな予感w あ、昔は若林さんがボケで春日さんがツッコミだったそうですよ。
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自分もけっこう幼稚な自分の精神性に苦労することがあるんですけど、そういうの「自意識過剰」って言えばいいのかとちょっと勉強になったのが地味に印象に残ってます。
若林さんが仕事が忙しくなった頃、その仕事量よりそれで揺さぶられる幼稚な自意識の方が疲れたと書かれていたのはなんかわかる気がしました。
あと単純に文章とか発想力とかがおもしろいなとも思いましたよ。風呂なし物件を探してるとコーヒーが出ないけど、風呂付物件だとコーヒーが出てきた話とか、普通に楽しめました。
で、特に印象に残った部分を軽く引用しようかなと思います。自己啓発とネガティブ思考について書かれていた部分から。
まず自己啓発。若林さんもネガティブで消極的という自覚から一時期自己啓発にハマっていて、その結果、
性格とは形状記憶合金のようなもので元々の形は変わらない。それに気付いたことが「自分を変える」本を読んだぼくの収穫だった。
という結論に達したと。
これもなんかわかります。自己啓発にハマった人が一度は通る道だと思います。
で、次にネガティブ思考について。
元々ネガティブ系だった若林さん。連休をもらって芸人仲間と温泉に行った際、一人で温泉につかっているとネガティブ思考がじりじりやってきたんだけど、部屋に戻ると芸人仲間が即興の競技をやっていてそれに参加するとネガティブじゃなくなったと。
それから若林さんはネガティブモンスターに捕まりそうになったときのため、何か没頭できるものを用意しとくようになったそうです。深い悩みにとらわれそうになったら家中の掃除をする、という知り合いの奥さんの策はいいと思いましたw
若林さんはこう締めてます
ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。
この部分でハッとしたのは、たしか堀江さんも同じことをおっしゃっていたから。
『ゼロ』だったと思うんですが、ネガティブなことを考えるのは、要はヒマなのだとおっしゃっていたような気がします。
堀江さんは「死への恐怖」というのが定期的にやってきて苦しんでいたのだそうですが、ライブドアの立ち上げで死ぬほど忙しかったときにはその衝動が来なくて、それによってそういう結論に達した、という話だったと思うんですが…。
いらんことを考えてしまうのはヒマだから。
自分にとってチクリとする言葉です。
ついでに堀江さん的に言うと、人は好きだからそれに没頭するのではなく、没頭したからそれを好きになるんだそうです。これもまた印象に残っているフレーズです。気になるなら読んでみることを勧めますよ。自分も珍しくこの本は買いました。
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という感じで、いろいろ思うところがあった一冊でした。最後にもっと単純に「あ、これすごいw」と思った部分を紹介しておきます。
売れない芸人時代、仕事もないときにネタ合わせと称して相方と公園に集合し、キャッチボールだけして帰ったとか、夏は区民プールに集合して潜水だけして帰ったとか。
そんな日々が8年続いた結果、若林さんは変化球が5種類投げられるようになって、春日さんは当時の日本潜水記録3位になったそうですw
なんかこういうのすごいですよねw
狙ったやったわけじゃないけど、なんか残るものがあったというかw
今でもまだ変化球投げられるのかわかりませんが、そういうのが役立つ日がくるといいですねと素直に思えました。
ついでにそういう日々が続いてもなんとか生き延びられたのは、相方とか売れない芸人仲間とかがいたからなのかなーとちょっと思いました。
この辺はphaさんの「弱い者ほど集まろう。集まってると死ににくい」というアレに通ずるものに感じました。
かなり共感できたりする一冊でした。
- 作者: 若林正恭
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2013/05/17
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