NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

『錬身抄』

哲人・中村天風さんの著書。健康に生きるには?という問いに答える生活習慣のヒントが書かれてます。生活習慣を幅広く取り扱っているのですが、食事法についてもかなりの紙幅を割いて言及されてます。いつものごとくそこに注目しましたw

自分が最近勉強したことや実体験と照らし合わせても、おっしゃっていることは大変合理的です。自分にとってそこまで目新しい話はそこまで多くありませんでしたが、自分の知識を補足するという意味で参考になる一冊でした。

ただ、これを読むにあたっては中村天風さんの著書を以前にも読んだことのある方でないといまいちピンとこないかもしれません。自分は以前にも何冊か読んだことがあり、天風さんの「天風哲学」ともいうべき話の骨子は最初から知ってましたのでスッと読めました。この本の本文中には、天風哲学について、そこまで詳しく解説されているわけではありませんので、ちょっと初見では厳しいかもですね。

天風さんの哲学に共感されている方なら一読してみるのもいいかもです。


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食事に関する指針の中で驚いたのは、当然のごとく肉は控えよと書かれてますが、「タンパク質のとりすぎは害悪のほうが大きい」、「腹八分」、「美食よりもできるだけ自然のままの食品がよい」といったような話が書かれていました。中村天風さんは日露戦争に参加しているくらいの年代の方なのですが、まるで現代社会を見ているかのような的確さでした。

この本が初版として発行されたのは昭和24年です。それが、内容を読んでみると、つい先日自分が読んだ『病気にならない生き方』とかなり重複する内容が書かれていたので驚きでした。特に「水は人体に必須だからこまめに飲むように」と書かれており、飲むタイミングは「食事の前30分から1時間前」といったようなことは本当に新谷さんが書かれていた内容とドンピシャで唖然としてしまいましたね。昭和24年の時点で、もうすでにこれだけのクオリティの生活指針がまとめられ、発行されていたのかと……。

人間が食べるものについても、菜食を勧めつつも、「人間がもっとも適しているのは果食」などと書かれ、果物や生野菜をできるだけ取るにように書かれているのも、自分的には納得した部分もあります。

なんか本当に、現代人が必死こいて探してる答えなんて、とっくの昔に出てて、しかもこんな感じできれいにまとめられてさえいるのかもなって思いました。昔の人ってすごかったんだな……。

錬身抄

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