NCの日記

孤立気味に生きてきたおっさんの日記です

世の中、何があるかわからんよなって話

絶対起こらないはずだったことが起こるとか、世の中がある日を境に一変するとか、なかなかないように思えて、よく考えたらちょくちょく起きてるよなと思うこともあって。

その実例としてタイタニックの沈没は強力すぎるし、古代ローマの街・ポンペイなんて火山の噴火で街ごと消えたわけだし、探せばけっこうあるんだけど。

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「世の中、何があるかわからんな感」は、現状に腐らず油断もせず、毎日コツコツと生きていくのにけっこう役立つのかもと個人的に感じていて、だから知っている実例は多いほうがいいのかもと最近思ってるんですよね。

つい最近も、世の中わからんもんだわと思った実例を追加で知ったので、ちょっとそのへんの話です。



目次

約100年前のハリウッドスターの話

今から約100年前のハリウッドってトーキー(声が出る映画)が登場したころで、ここから、それまで主流だったサイレント映画からトーキーへと急激に移り変わっていくわけで。

この変化の波はサイレント映画の大スターたちにも容赦なくふりかかり、時代の波に乗れなかった人も少なからずいたらしくて。

その一人「ジョン・ギルバート」は、銀幕の恋人とまで呼ばれた当時の大スターだったんだけど、トーキーの登場で人気を一気に失い、酒浸りの日々が祟ったか何かで若くして倒れ、そのまま帰らぬ人となったと。



人気を失った経緯がまたアレで、サイレント映画固執してたわけじゃないんですよね。

時代の変化を受けてトーキーには出演してるんですけど、どうも本人の声が、本人のルックスから多くの人が想像(期待)してたのと違う甲高い声だったらしく、それが原因で人気が急落したとのこと。

ただ、トーキーへの出演作を今見ても、本人の声は別に甲高くないとの指摘もあって、当時の所属会社との対立から腹いせに声を甲高く加工されたとか、時代の変化にともなって単純に本人が飽きられただけとか、人気急落の原因には異説もあるようです。



いずれにしても、トーキーの登場で大スターの地位から一気に滑り落ちていったのは変わりなくて、世の中こんなことあるんだ・・・って、わりと悲哀が胸に迫る感じでした。

まあ、サイレント映画とトーキーは全然求められることが違っていて、サイレントのほうは本人のルックスとか動作の見栄えが大事で、声が悪くても訛りがひどくても無問題だったっぽいんですよね。

役者に求められることが一気に変わって、声や活舌、訛り、セリフ覚えるだけの頭とかが急に要求されるようになったわけで、昨日までの大スターが今日からは大根役者も納得ではあるんですが、それにしたってねぇ・・という。



ジョン・ギルバートは、当時女性たちから絶大な人気を誇った大スター「ルドルフ・ヴァレンティノ」が病気で急死したのと入れ替わるように大スターの座についたらしいのだけど。

ルドルフ・ヴァレンティノが急死したのはトーキーが登場する前年で、その葬儀だったか病院だったかには大勢の女性が詰めかけたとのことで。

一方のジョン・ギルバートは、亡くなったときはすでに人気をすっかり失っていて、葬儀は静かなものだったというのは、ほんとに歴史の皮肉だなと。

ジョン・ギルバートをモデルにした映画

2023年に公開された映画『バビロン』は、まさにトーキーの登場前後のハリウッドを舞台にした映画で、ブラッド・ピットが演じる「ジャック・コンラッド」はジョン・ギルバートがモデルになっているそうで。

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ジョン・ギルバートがモデルの時点で、ジャックの行く末がある程度想像できてしまうのがね。この映画もう視聴済みなんですけど、自分にはぶっ刺さった映画で、感想は一言ではなかなか言い表せない・・・。


主人公の一人「ネリー・ラロイ」は、同時代に実在した女優クララ・ボウをモデルにしているし、ほかにも当時のハリウッドの実在の人物とかが名前だけちらっと出たりとか、予備知識があるほど楽しめる映画だと思います。

監督は「ラ・ラ・ランド」の人。ラ・ラ・ランドのほうはあまり刺さらなかったけど、バビロンはやばかった・・・。





あと、このたび初めて知ったけど、『雨に唄えば』もジョン・ギルバートの一件をモデルにしてたのかもです。

雨の中で歌い踊るシーンが有名すぎるこの作品、実はトーキー登場前後の時代を舞台にした、映画自体が題材の映画なんですよね。

ジーン・ケリー扮する「ドン・ロックウッド」はサイレント映画の大スターで、トーキーの登場で窮地に立たされたのを、起死回生のアイデアで乗り越えていくという、ストーリーもわりと面白い作品です。


トーキーの登場がハリウッドに与えた影響と衝撃を、明るくコミカルに描いたのが『雨に唄えば』で、時代の波に乗れなくて消えていったスターたちの悲哀に焦点を当てたのが『バビロン』って感じでしょうか。



コミュ障に優しいバイト職場の話

急に話のスケールが変わるけど、ここからは知り合いから聞いた話(ブログに書いていいよって言われたので。その人もコミュ障を自認)。

知り合いが昔いたというバイト先の話で、そこがなんか信じられないほどコミュ障に優しい職場だったらしいんですよね。

なんかくわしく話聞くうち、こんなにコミュ障に都合の良い職場って世の中に実在したんだ!?って思ったわけでして。



あまり具体的なことは書かないでおくけど、エッセンスを抽出すると

  • ほぼ完全に個人作業
  • 上司や同僚とほとんど顔合わせることなし
  • けっこう放任主義の職場でバイト中にわりと自由に動ける
  • ミスがあったらメモにまとめて後で渡されるだけ
  • その日の仕事が終わり次第、各自帰宅
  • 給料は成果メインなので仕事が少々遅くても何も言われない
  • スタッフ同士もほどよく距離を置ける感じで、人間関係のいざこざはほぼなし

って感じです。

業種は清掃系だけど、なんか仕事や職場の雰囲気だけでいえば新聞配達っぽかったみたいですね。

その点を職場も自覚していたみたいで、「うちはチームワークとかなくても大丈夫ですよ!」って面接のときにハッキリ言われたらしいw


本人の話で印象的だったのは、ストレスフリーすぎて、なんかスポーツジムにでも通ってる気分だったと。

あと、その部署の仕事が少ないとき、普段は複数人で分担する部署でも1人で担当することがあったけど(仕事が少ないので特に大変ではなかったようです)、自分以外誰もいない部署を1人でもくもくと掃除するの、性に合いすぎるのと現場に生活感がないのとで、なんか夢の中にでもいる気分だったと。


フルタイムの仕事ではないのでそんなに収入にはつながらなかったそうですが、とにかく居心地が良くて、そんな職場だからか、コミュ障っぽい人もちらほらいたそうです。

そういう人とたまに同じ部署にあたると、同僚と顔合わせるわずかなタイミングですらも全然会話しなくていいからほんと気楽だったと。



ただこれ、本人がいうにはたまたま良い職場にあたったって話らしくて。

同業他社で同じようなバイトしてた人たちと少し話す機会が何度かあったらしく、その人たちによると、そっちはチームワーク普通に必要だったし、仕事遅いとバチクソに怒られるしで、そういう環境が合わなくて前職を辞めた人も何人かいるとのことで。

だから、そのバイト先のコミュ障への優しさは、仕事内容よりも社風由来だと思ったほうがいいとのことです。



いやでも、新聞配達とか以外で、こんなコミュ障向きの職場が世の中に実在したとはねぇ・・・というのが、自分の一番の感想でした。

さっきのエッセンス並べて「こういう職場ってないですかね?」って人に聞いたら、だいたいは「ない」っていわれるやろと。

いや、あったんだと。世の中わからんもんだねぇと。10年前の自分に教えてあげたいし、なんなら10年前の自分を送り込んであげたいわと。


この手の実例は多く知っていて損はないのかもと

世の中何があるかわからんわって実例を知ると、何かの拍子に環境が激変したり、自分がうまくハマれる場所がひょんなことで見つかるかもだから、人生うまくいってなくても腐ることはないし、うまくいってても油断しちゃだめだなって、個人的には感じるところなんですよね。

世界は本当に広くて、自分の想像を超えることは余裕で起きるもんだし、腐らず油断せず、毎日コツコツ生きていくかと、なんか前向きになれる感じです。


あと、世の中何があるかわからんと心から実感できる実例は人によって違うと思うんですよね。

タイタニックポンペイは好例ではあるけど、よほど自分の興味関心と一致するか、その遺物を展示会とかで見るとかしないと、なかなか実感にまではならないんじゃないかなーと。頭ではすぐ理解できるけどね。


自分は映画とか歴史が好きなので、約100年前に起きたジョン・ギルバートの一件は刺さったし、コミュ障に優しい職場の話はかなり具体的な話を直接聞いてるので、やっぱり感じ方が違ったと思います。

世の中何があるかわからんって実感が強まるほどなんかコツコツ生きていけるような気がするので、この手の実例は多く知っていて損はないのかもなーと思った一件でした。